吉高由里子19歳の転機と軌跡|蛇にピアス抜擢から大河女優へと駆け上がった20年の全貌

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吉高由里子が『蛇にピアス』の主演を射止める直前、彼女の人生は文字通り断崖絶壁にありました。2007年、デビュー間もない10代の彼女を襲ったのは、乗車していた車がトラックと衝突する大惨事でした。顎の骨を粉砕骨折し、集中治療室(ICU)へ緊急搬送されるほどの重傷を負い、生死の境を5日間もさまよったのです。

当時の報道や本人の回想録によると、集中治療室で全身を管につながれ、鏡に映る変わり果てた自分の顔を見たとき、彼女のなかで「当たり前だった日常」への執着が完全に剥ぎ取られたといいます。退院後、まだ完治とは言えない痛々しい身体のまま臨んだのが、映画『蛇にピアス』のヒロイン・ルイ役を決める大規模オーディションでした。

世界のニナガワとして恐れられていた蜷川幸雄監督を前に、吉高由里子は一切の媚びを捨て、オーディション会場で服を脱ぎ捨てて覚悟を突きつけたと語り継がれています。「失うものは何もない」という事故直後の剥き出しの精神状態と、現実に対するある種の投げやりな虚無感が、原作者・金原ひとみが描いたルイの魂と奇跡的な共鳴を果たしました。蜷川監督はその狂気と透明感を見抜き、無名に近かった彼女を即座に大抜擢したのです。

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