嵐『Song for You』の作曲陣と歌詞の真相|込められたメッセージを徹底解剖
アルバム『「untitled」』は、グループとしてあえて固定概念を壊し、タイトルを「未完成・未設定」を意味する「untitled」に据えるという挑戦的なコンセプトで制作されました。そのリード曲でありアルバムの核として生み出されたのが、11分を超える長編組曲『Song for you』です。
本作の制作にあたっては、日米の一流クリエイター陣が集結しました。作曲にはSimon Janes、関戸鉄也、Erik Lidbom、Christofer Erixonをはじめとする国内外の実力派メロディメーカーが名を連ね、編曲は劇伴音楽やミュージカル分野で名高い佐々木博史が担当しています。本作の作曲プロセスは、単一のポップソングを作る手順とはまったく異なっていました。
関係者の証言や当時の音楽誌インタビューによると、制作陣は「嵐の20年近い歩みを1本の長編舞台のように表現できないか」という構想のもと、複数の異なる楽曲断片(チャプター)を緻密に接続する手法を採用しました。フルオーケストラの生演奏レコーディングを取り入れ、金管楽器のファンファーレからストリングスの叙情的な旋律、ジャズコンボ風のスウィング、そしてゴスペル調の大合唱へと展開するスコアは、まさに名匠たちの職人技の結晶です。ポピュラー音楽の枠組みを超えたこの試みは、J-POPのメインストリームにおける記念碑的な実験作となりました。