強力粉とかんすい黄金比!手打ちラーメン麺の作り方&プロの製麺工程を本音検証
配合が決まったら、いよいよ実践工程へと移ります。プロの製麺所で行われているプロセスを家庭のキッチンに落とし込む際、最も丁寧に行うべきなのが水回し工程と、生地を鍛え上げる圧延作業です。
ステップ1:かんすい溶液の作成と「水回し」の極意
まず、計量した水にかんすいと塩を入れ、完全に溶かしきります。この時、かんすいと塩を直接小麦粉に混ぜてはいけません。水分と均一に反応せず、斑点や食感ムラの原因になります。
大きなボウルに小麦粉を入れ、かんすい水を3〜4回に分けて加えます。ここで絶対にやってはいけないのが、最初から握りつぶすようにこねることです。両手の指先を立て、ボウルの中で粉と水を高速でかき混ぜ、粉全体に水分を行き渡らせます。指の腹で小さなダマをすり潰すようにして、全体が「しっとりとしたおから状(そぼろ状)」になるまで10分ほどかけて均一化させます。この水回しが完璧であればあるほど、後の工程で滑らかなグルテン膜が形成されます。
ステップ2:そぼろ状の生地を固める「第一熟成」と足踏み
そぼろ状になった生地を厚手のビニール袋(ジップロックや米袋など)にすべて移し、袋の上から両手で体重をかけてひとまとめの塊に押し固めます。この段階ではまだ生地の表面はひび割れてボロボロの状態ですが、心配はいりません。
塊になったら袋の空気を抜いて密閉し、常温で30分〜1時間ほど寝かせます(第一熟成)。この休ませる時間によって、毛細管現象により粉の芯まで水分が浸透し、硬化していたグルテンが自然と緩和されます。熟成後、袋の上から清潔な靴下を履いた足で10分〜15分ほど踏み込みます。広がったら折りたたんで再び踏む動作を3〜4回繰り返すことで、強靭なコシの出し方の基礎となる網目構造が完成します。
ステップ3:複合圧延から切り刃でのカッティング、美味しい湯切り技術まで
足踏みで平らになった生地をパスタマシンに通せる幅に包丁で切り分け、いよいよ圧延(あつえん)に入ります。パスタマシンのローラーメモリを最も広い「ダイヤル1」に設定し、生地を通します。最初は端が裂けたり穴が空いたりしますが、ローラーを通した生地を半分に折りたたみ、再度ダイヤル1に通す「複合圧延」を3〜4回繰り返すと、驚くほど艶やかでツルツルとした白い帯状の麺帯(めんたい)へと変化します。
生地が滑らかになったら、ダイヤルを2、3、4と段階的に狭め、目的の厚さ(中太麺なら約1.5mm〜2.0mm)まで延ばしていきます。切り刃(カッター)に通す直前に、麺帯の両面に打ち粉(加工でんぷんや片栗粉)を薄く均一にまぶします。切り刃を通って出てきた麺が互いにくっつくのを防ぐためです。ちぢれ麺にしたい場合は、切り出された直後の麺を手の中でギュッと軽く握り、ランダムなウェーブをつけます。
そして、せっかく打った麺を台無しにしないためには、茹で上げと湯切りの技術が最後の決め手となります。自家製麺は打ち粉が多く付着しているため、必ず麺重量の10倍以上の沸騰したたっぷりのお湯で泳がせるように茹でてください。茹で上がったら平ザルまたはテボ(深型湯切りザル)に上げ、手首のスナップを効かせて2〜3回鋭く湯を切るのがプロの鉄則です。過剰に何度も振りすぎると麺の表面温度が急激に下がり、麺同士が密着して食感が損なわれます。